岩盤の川底が良い/2007年06月01日(金)曇
天塩川水系オテレコッペ川(美深町)[07:00の気温9.0度、水温5.5度]

 深夜2時、一筋の光もない漆黒の江丹別峠を越えると、眼下に幌加内の街灯が宝石のように煌いている。宝箱の底へ吸い込まれるように峠を下って、幌加内の街を過ぎる頃には、黒い闇が北東の空から薄くなって、白夜のようにしらじらと明けようとしている。早朝4時、入渓地の谷は寒々として、釣り仕度をしている背中に冷気がはしって身震いがした。



 水温5度、第1投にゆっくりとしたあたりがでて、軽くあわせた竿にヤマベの手ごたえがはしる。低水温でヤマベ独特のバイブレーションは無いが、銀白に光った銀毛が釣れた。いつも入渓する場所だが水量が少なく、形が小さいので、好ポイントが多い岩盤域へ移動する。幸い移動先の岩盤の多い沢には先行者はいないようだ。河床は薄い緑色の岩盤が露出し、流れに沿って深く掘れた溝が好ポイントとなっている。落ち込みは小さな淵となって清水を湛え、大物への期待がふくらむ。ポイントごとに良形が釣れ、シーズンを占う解禁初日は、吉兆を予感する結果となった。